スポーツバイクとただの移動手段としての自転車を分けるものに、
ビンディングペダルという道具がある。

スキーのビンディングシステムから派生したらしいが、
文字通りペダルと靴を固定するものだ。

ロードバイクを購入すると同時に、このビンディングシステムを
導入して乗り始める人もいるようだが、

僕は普通のランニングシューズとフラットペダルで乗り始めて、
累計500㎞くらい走った頃に使い始めた。

その頃の僕には、スタートの時、周りのローディのパチンとビンディングを
嵌める音が、とてもマニアックな未知のステージの音に聞こえて、
ロードバイクに乗り始めた初心者の最初の楽しい関門になった。

 ※10年2月に初めてSPDビンディングペダルを装着した時の日記。
早速、家でバイクに跨ってガチャガチャと脱着を繰り返した。
最初はまったく装着できないので、
ペダルのバネ調整を最弱にしたら、なんとか嵌まるようになってきた。
クリートの位置は拇指球あたりとのことなので、
靴裏のクリートの位置をなんどか調整した。レーパンも穿かずに、
家の周りを走ってみたが、想像していた取り外しについては、
特に外すことはそれほど難しい作業ではなかった。例えると
靴の裏にくっついたガムをはがすように踵を外に捻れば、すぐにはずれる。
装着も結構、適当に踏み込んでも、カチッとはまる。
何度かやるうちに自信がついた。こんなに簡単ならもっと早く
導入すれば良かったと思うが、僕の場合は、ロードバイクに乗ること自体が
当初、大事業だった。車道でのスタート、ストップや低速走行、
変速ギアの操作、進路変更等で戸惑う状況だったので、
まず慣れる事が先決だったが、
クロスバイク等の経験があって基本的にスポーツバイクに乗れる人は
最初からビンディングにすべきだと思う。
走り心地は、やはり引き足が推進力に変換されるので、今まで無駄に
逃げていたパワーがペダルに伝わるといった感じで、スピードが上がる。
一般的に出力が30%アップすると言われているが、
蒸気機関車から、電気機関車に変わったといった印象だ。
ペダリングが、自分の感覚より、微妙に方向がずれていたのも
確認させてくれる。
走りながら「なんだ、簡単じゃないか、早く履けば良かった」と
一人笑いしたとたん、停車する時にはずし損なって、
ガードレールに捕まりながら、落車を免れた。
油断してクリートの事をすっかり忘れていた。
しかし、クリートを嵌める時のカチっという音は、
マニアックでなんとも心地よい。】・・・・

以降、今までに何度も「立ちごけ」を経験した。
ほとんど止まる寸前のスピードで、足を着けずに転倒するのだが、
怪我するほど酷いことにはならない。ゴロンと転がる感じだ。
この時、僕が使い始めたビンディングはシマノのSPDという
もともとMTBで使われるものだが、着脱が簡単で初心者には、
敷居が低いものだ。最初は、これに限る。
今現在はシマノSPD-SLを使っているが、ビンディング無しでは走れない。

橋の上 


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