ロードバイクは、風の中にいる。

53才の頃、横浜での単身生活のスタートとともに、クロモリフレームのロードバイクを購入し、

それから毎週のように一人で湘南海岸の美しい風景の中を走った。

5年間あまりの走行距離は16632㎞。

単身赴任生活の中で心に堆積する沈殿物を、僕はロードバイクのサドルの上で、汗と共に消化した。

人生は結局、体験=EXPERIENCEが積み重さなったものだとするなら、
50台半ば、
ロードバイクと出会えた事は幸運だった。

幼少期と違って年齢を重ねるだけでは、人は成長するわけでも
老いる訳でもない。53才から乗り始めたロードバイクのおかげで僕の肉体年齢は、
実際の年齢よりも、少ないような気がする。
この移動機具には、人間の体力以外、動力というものが装備されていない。
よってロードバイクによる走行性能は、重力による抵抗、空気抵抗、
回転部分のフリクションロスを減らす事等の効率の追求のみに注がれている。
グランツールを走る選手は、この重量7kg程度のメカニズムで、20日間以上、
毎日200㎞程のコースを時速70キロを超えるスピードで平地を走り,
標高1000m以上のアルプスを登り、ときに時速100㎞近くで坂を下る。
実際にロードバイクを手に入れて、改めて眺めてみるとこの研ぎ澄まされた道具は
美しいと
誰もが思うに違いない。
平坦路を時速15km以上で巡航している時、
ロードバイクにとって一番大きな抵抗は、総重量でもなく、タイヤのころがり抵抗でもなく、
空気抵抗、つまり風だ。
そして、空気抵抗は、時速の二乗に比例する。
まさにロードバイクは風の中にいる。

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