2009年, 12月に購入。
当時、横浜での初めての単身赴任生活を始めたばかりの53才。
スポーツ自転車というものに乗りたいと思い、
入門機のクロモリフレームのロードバイクを買った。
価格は在庫処分ということもあって10万円そこそこだったが、
当時の僕の感覚からすれば、とても贅沢な自転車だった。
イタリアのGIOSという古いブランドのものだが、
実はこのバイクは大阪の販売代理店による企画・監修により
台湾か中国の生産会社に発注されたものだった。
そのあたりの大人の事情は、当時から予備知識を得ていたが、
自転車に乗るのは中学生以来という53才の初心者にとっては、
まぎれもなく研ぎ澄まされたスポーツ機材=ロードレーサーだった。
 初めて家の周りをおそるおそる走った時の感想文 
「朝、8時半から早速試乗。とにかくすべてが軽いのに驚いた。
軽くてカチッとした硬い車体が、スルスルと勝手に軽く動く。
クロモリフレームがアルミやカ-ボンより1kg前後重いなんて
カタログスペックは、どうでも良いというのが、初対面の感想。
確かにバイクの重量の1kgを気にするより、
体重を減らすほうが簡単なことだ。
ハンドルは軽すぎて勝手に動くし、つま先立っても、
足はぎりぎりしか地面に届かないので、
止まる時は、サドルから降りなければならない。
標準より低く設定しているはずのサドルは、とても高く感じて不安がある。
地上からえらく高いところに座っている感じだ。
スポーツバイクに乗るということの基本的御作法みたいなものが、
まだ身についていない。
車道を走るのは、特に低速になるとやけに軽いハンドルが、
フラフラして落車しそうな緊張感があるし、
信号で止まる前に軽いギアに落としておかないと、
スタートでぺダルが重くて発進できない。

はじめて家の周りをフラフラと走った時は、こんなものだった。
遠い昔、初めて自転車を買って貰った時の感動を50過ぎの大人が
こっそりと味わっていたわけだ。
そう言えば、乗り始めた頃、ダンシング、いわゆる立ち漕ぎは、
バランスが取れず怖くて出来なかった。
それから3年間、このバイクで10000㎞ほど走った。
けっこう真面目に作ってあり、
コンポもブレーキまでシマノ純正の105だったので、
僕のような初心者には最適だったと思う。
頑丈なフレームは、10回以上の立ちゴケや、
適正トルクなんぞお構いなしで、ギリギリと
ネジを締めたりする初心者の扱いに、黙って耐えてくれた。
デフォルトのクランクはスギノ製だったので、純正のシマノ105に交換し、
ステムを100mmから110mmに交換した。
2㎏近いフレーム重量は、スタート時の加速やヒルクライムではハンデとなるが、
走行安定性には貢献してくれる。まあ当時の僕は80㎏を超える体重を
1㎏ほど減らせばすむ話だった。
「体脂肪率10%を切るまでは、ロードバイクの重量を気にする必要はない」
たしか、自転車漫画の「のりりん」の中にあったフレーズ。
アンチエージングと単身生活の寂寞と単調さを埋める為に貢献してくれた。
サイズは52、トップチューブ長535㎜。身長176㎝、股下81㎝の僕には、
ほんの少し小さ目だったが、それも初心者には良かったようだ。
ロードバイクの歴史の中で作り上げられた普遍的なデザインだが、
クロモリの細めのパイプで構成されたホリゾンタルフレームには
安定した美しさがある。ひとりで湘南海岸や三浦海岸を走って、
休憩する度に眺めては、子供のように満足していた。
知り合いに譲ってしまったが、僕は今でもこのバイクで、
ホイールや他のパーツを換装さえすれば、
ロードバイク生活を十分に楽しむことが出来ると思う。                                     
      
10月湘南


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